この記事では週刊ファミ通「新作クロスレビュー」から、36点以上のプラチナ殿堂入りソフトをピックアップしてご紹介しています。評価点数順にランキングしているので、「ゲームやりたいんだけど何か良いソフト無い?」という方にオススメです。
- 総計39点 ~年度代表級の神ゲーです~
- 総計38点 ~神ゲーだから買おう~
- 総計37点 ~あと一歩で神ゲーな領域~
- 総計36点 ~オール9は良ゲーのお墨付き~
- 35点 ~内容を吟味してから買いましょう~
- プレイレビュー
2021年度はこちら
総計39点 ~年度代表級の神ゲーです~
39点以上のタイトルは、年に1本か2本という「年度代表級」の神ゲーです。ゲームファンなら「経験」としてプレイしておくのもアリでしょう。
スプラトゥーン3【10.10.10.9】
対応機種:Switch
発売日:2022年9月9日
ジャンル:アクション・シューティング
短評:任天堂の誇る社会現象級の神ゲーで、クロスレビュアーに「奇跡のようなタイトル」と言わしめる作品。Switch持っててこれプレイしないのはもったいない。
スプラトゥーン3 -Switch - 任天堂
Amazon's data(2022.10.10現在)
レビュー数 5,716件・評価 ★★★★★ 4.6点・参考価格 4850円
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Elden Ring【10.10.10.9】
対応機種:PS5/4、XBox
発売日:2022年2月25日
ジャンル:アクションRPG
短評:いわゆる「死にゲー」の直系本家。オープンワールドと移動手段(馬)で遊びやすくなったとの評がある一方、ダンジョンは使い回しとか、難易度を上げるためだけのゲーム性を無視したボスキャラなど、フロムゲーファンからの酷評も多い。ファミ通はややフロムゲーに甘い?印象もあり。
【PS4】ELDEN RING - フロム・ソフトウェア
Amazon's data(2022.03.29現在)
レビュー数 1件・評価 ★★★★ 4.2点・参考価格 6899円
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総計38点 ~神ゲーだから買おう~
クロレビ38点は《ファン待望》というレベルの神ゲーです。ファミ通を毎週チェックしていても、数ヶ月に1本という頻度でしかお目にかかれません。
ポケットモンスター バイオレット・スカーレット【9.10.10.9】
対応機種:Switch
発売日:2022年11月18日
ジャンル:RPG
短評:オープンワールドになったほか、細かな部分で遊びやすくなっているとの声も。
ポケットモンスター バイオレット -Switch - 任天堂
Amazon's data(2022.12.15現在)
レビュー数 2872件・評価 ★★★★ 4.4点・参考価格 5700円
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ソウルハッカーズ2【9.9.10.10】
対応機種:PS5/4、Xbox
発売日:2022年8月25日
ジャンル:RPG
短評:Amazonレビューは芳しくないけど、ファミ通では38点と超高評価。弱点攻撃で「仲魔」による最大16連撃が可能な戦略性の高いバトルは、アトラスゲーはもういいかな・・・と思っている筆者にもやや魅力的。
ソウルハッカーズ2 - PS5 - アトラス
Amazon's data(2022.09.03現在)
レビュー数 64件・評価 ★★★★★ 2.9点・参考価格 7000円
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グランツーリスモ7【9.10.9.10】
対応機種:PS5/4
発売日:2022年3月4日
ジャンル:レース
短評:ファミ通評価とは反対にAmazonでは課金要素への酷評が多い。
【PS4】グランツーリスモ7 - ソニー・インタラクティブエンタテインメント
Amazon's data(2022.04.13現在)
レビュー数 510件・評価 ★★★★ 3.8点・参考価格 4899円
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Pokemon LEGENDS アルセウス【10.9.9.10】
対応機種:Switch
発売日:2022年1月28日
ジャンル:アクションRPG
短評:ポケモンのスピンオフ的な作品で、外観的には従来の2Dから3Dに、しかもアクションRPGとなったこともあり、ゲームの印象がガラリと変わっている。ご長寿作品にありがちなマンネリ打破という点でも高く評価されるべき。
Amazon's data(2022.02.25現在)
レビュー数 2件・評価 ★★★★★ 4.5点・参考価格 5230円
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総計37点 ~あと一歩で神ゲーな領域~
あと一歩で神ゲーなのがクロレビ37点のタイトルです。分厚い「36点の壁」を超えた、良ゲーの代表格とも言える作品です。
ベヨネッタ3【9.10.9.9】
対応機種:Switch
発売日:2022年10月28日
ジャンル:アクション
短評:かつて40点満点を叩き出したシリーズですが、派手さが魅力のソフトだけにSwitchでの発売は個人的に悔やまれます。前作で気になった単調なバトルがどう改善されたのかも気になるところ。
ベヨネッタ3 -Switch - 任天堂
Amazon's data(2022.11.10現在)
レビュー数 63件・評価 ★★★ 3.4点・参考価格 4800円
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信長の野望 新生【9.9.10.9】
対応機種:PS4、Switch
発売日:2022年7月21日
ジャンル:シミュレーション
短評:シリーズ作品にシビアなファミ通にあって、37点と36点の違いは大きい。すでに基本的なシステムが完成されているだけに、新要素がマンネリ打破となるか期待大。
【Switch】信長の野望・新生 早期購入特典シナリオ「長篠設楽原の戦い」ダウンロードシリアル 同梱 - コーエーテクモゲームス
Amazon's data(2022.07.17現在)
発売中・参考価格 8909円
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Ghostwire:Tokyo【9.9.10.9】
対応機種:PS5
発売日:2022年3月25日
ジャンル:アクション・アドベンチャー
短評:まずは、PS5専用ソフトという点に敬意。Falloutシリーズを手がけたベセスダソフトワークスによる、渋谷を舞台とした妖怪アクションゲー。「ホラー要素は少なめだけど、しっかり怖い」という口コミなので、そのあたりを受け入れられるかがポイント。個人的には、現実都市を舞台に使う場合、商業施設や飲食店は95%以上再現してくれないと興醒めしてしまうタイプなので見送り。
Ghostwire:Tokyo(ゴーストワイヤー トウキョウ) -PS5 - ベセスダ・ソフトワークス
Amazon's data(2022.04.23現在)
レビュー数 100件・評価 ★★★★ 4.0点・参考価格 5500円
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Horizon Forbidden West【9.9.9.10】
対応機種:PS5/4
発売日:2022年2月18日
ジャンル:アクションRPG
短評:SCE謹製のARPG大作。間違い無く良ゲーではあるが、人物や部族の関係性など説明不足は否めず、前作プレイが前提なのは残念。バトルは敵の位置関係が分かりづらく、ステルスしても別の敵に発見されるので、結局は大味なプレーになりがち。
【PS4】Horizon Forbidden West - ソニー・インタラクティブエンタテインメント
Amazon's data(2022.03.29現在)
レビュー数 441件・評価 ★★★★ 4.2点・参考価格 5000円
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Lif is Strange: True Colors【9.9.8.9】
対応機種:Switch,PS5/4,XBX,XBO
発売日:2022.2.25
ジャンル:アドベンチャー
短評:フランスのゲームスタジオが開発し、スクエニがグローバル展開している人気シリーズ。「超能力を持った主人公によるアドベンチャーゲーム」という設定は変わらず、本作では「他人の感情を読み取る」能力を駆使していく。派手な演出やゲーム性より、フランス映画的な雰囲気が好きな人なら楽しめるかも。筆者は2016年発売の第1作をプレイしましたが、ストーリーを進めるための手掛かりを集めるのが億劫(例えば、部屋の中から写真を見つけるような作業の繰り返し)で、クリアせずに放り出してしまいました。
Amazon's data(2022.03.10現在)
レビュー数 20件・評価 ★★★★ 3.8点・参考価格 5692円
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総計36点 ~オール9は良ゲーのお墨付き~
良ゲーの「お墨付き」とも言えるのがクロレビ36点です。レビュアー全員が平均9点をつけており、安心して購入&プレイすることができます。
ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤【9.9.9.9】
対応機種:Switch
発売日:2022年12月9日
ジャンル:RPG
短評:メインの宝探しに加え、お供のモンスターの能力によりマップ開拓が捗るなど、サブシステムが有機的に連携しているあたり、スクエニ作品の完成度を感じる。モンスターは色違いが多く種類を増やしてほしいという口コミも。
ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤 -Switch - スクウェア・エニックス
Amazon's data(2022.12.24現在)
レビュー数 203件・評価 ★★★★★ 3.3点・参考価格 5850円
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ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク【9.9.9.9】
対応機種:PS4/5
発売日:2022年11月9日
ジャンル:アクション・アドベンチャー
短評:前作プレイが前提となっているせいか、ファミ通評価は意外に伸びていない印象。前作があまりに神ゲーすぎたため、PS5版でもさほど進化を感じないのはやや残念。前作プレイ済みなら迷わず買うべし。
【PS5】ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク【CEROレーティング「Z」】 - ソニー・インタラクティブエンタテインメント
Amazon's data(2022.11.18現在)
レビュー数 63件・評価 ★★★★★ 4.5点・参考価格 6720円
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セインツロウ【9.8.10.9】
対応機種:PS4/5、Xbox
発売日:2022年8月23日
ジャンル:アクション
短評:もはや「オープンワールド+洋ゲー+アウトロー」という設定は珍しくないだけに、このゲームにしかない特色的な部分が見えづらいのは難点。
Saints Row (セインツロウ) - Koch media
Amazon's data(2022.09.18現在)
レビュー数 61件・評価 ★★★ 3.3点・参考価格 6120円
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ゼノブレイド3【9.9.9.9】
対応機種:Switch
発売日:2022年7月29日
ジャンル:アクションRPG
短評:任天堂謹製のアクションRPGだけあり、Amazonレビューでも良作との評価が圧倒的に高い。シリーズファンなら間違いなく買い。
Amazon's data(2022.08.13現在)
レビュー数 344件・評価 ★★★★★ 3.9点・参考価格 6150円
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ファイアーエムブレム無双 風花雪月【9.9.9.9】
対応機種:Switch
発売日:2022.6.24
ジャンル:アクション
短評:バトル以外は原作と見分けがつかない再現度の高さに驚愕。施設内をファストトラベルできるなど、原作でイマイチだった遊びづらさが大幅改善されており、二番煎じの手抜きが一切感じられない正統進化形。キャラ同士の支援会話もフルボイスで、全ストーリーを回収してしまいたくなる。ファミ通評価は36点にとどまったが、風花雪月の原作ファンなら40点満点でも納得のクオリティかと。
ファイアーエムブレム無双 風花雪月 - Switch - コーエーテクモゲームス
Amazon's data(2022.07.04現在)
レビュー数 142件・評価 ★★★★ 3.7点・参考価格 6100円
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eBASEBALL パワフルプロ野球2022【9.9.9.9】
対応機種:PS4、Switch
発売日:2022.4.21
ジャンル:スポーツ
短評:パワプロ最新作。36点という評価は、完成されすぎていて新味の無さからでしょう。プロスピが毎年は発売されない(選手データはアップデートで更新可能)ので、毎年新作を楽しめるのは大切。PS版は4のみ発売なのが残念ですが、本作はSwitchで買うべきなので問題は少なめかと。
ワンダーランズ【9.9.9.9】
対応機種:PS5/4、Xbox
発売日:2022.3.25
ジャンル:シューティングRPG
短評:「ボーダーランズ2」からのスピンアウト作品。原作が「ヒャッハー」と形容される濃いめの作品のため、世界観を楽しめるかが決め手となりそう。
【PS4】ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界 - テイクツー・インタラクティブ・ジャパン
Amazon's data(2022.04.23現在)
レビュー数 24件・評価 ★★★★★ 3.5点・参考価格 5800円
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星のカービィディスカバリー【9.9.9.9】
対応機種:Switch
発売日:2022.3.25
ジャンル:アクション
短評:カービィ初の3Dアクション。ずば抜けた神ゲーでもないが、Amazonレビューで非常に好意的なものが多いのは良ゲーの証。
星のカービィ ディスカバリー -Switch - 任天堂
Amazon's data(2022.04.13現在)
レビュー数 546件・評価 ★★★★★ 4.6点・参考価格 5090円
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35点 ~内容を吟味してから買いましょう~
プラチナ殿堂の最低ラインがクロレビ35点です。間違いなく良ゲーですが、レビュアーの誰かが低評価をつけているケースもあるので注意してください。
It Takes Two【9.9.8.9】
対応機種:Switch、PS4/5、Xbox
発売日:2022年12月5日
ジャンル:アクション・アドベンチャー
短評:二人プレイ専用という斬新さは注目に値するが、ゲームクリアまで2人の予定を合わせるのが大変そうではある。
It Takes Two (PS4) (輸入版) - by Electronic Arts
Amazon's data(2022.12.08現在)
レビュー数 10件・評価 ★★★★ 4.4点・参考価格 4398円
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ソニック・フロンティア【9.9.9.8】
対応機種:Switch、PS4/5、Xbox
発売日:2022年11月8日
短評:セガを代表するキャラゲー。ソニックが好きなら。
ソニックフロンティア- Switch - セガ
Amazon's data(2022.11.18現在)
レビュー数 165件・評価 ★★★★★ 3.9点・参考価格 4970円
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RPGタイム ライトの伝説【9.8.10.8】
対応機種:Switch、PS4、Xbox
発売日:2022年10月13日
短評:「日本のインディーゲーム開発会社、株式会社デスクワークスが構想15年、9年越しの開発期間をかけ、ありったけのアイディアとセンスが詰め込まれた」作品とのこと。興味はありつつ4千円という価格がネックか。
RPGタイム!~ライトの伝説~ 完全生産限定版 - アニプレックス
Amazon's data(2022.10.20現在)
レビュー数 3件・評価 ★★★★★ 4.6点・参考価格 5440円
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Cult of the Lamb【9.9.8.9】
対応機種:Switch、PS4/5、Xbox
発売日:2022年8月12日
短評:ダウンロード専用。インディーズの洋ゲーらしく、信者を増やすことが目的という一風変わった作品。ファミ通評価は高いですが、作品テーマやキャラデザインは日本向けにはキツいものがあるかも。
アノニマス・コード【9.9.8.9】
対応機種:PS4、Switch
発売日:2022年7月28日
ジャンル:アドベンチャー
短評:名作「シュタインズ・ゲート」のファンなら注目のはず。この手のソフトはSwitchがお手軽でいいですね。
ANONYMOUS;CODE - Switch - MAGES.
Amazon's data(2022.08.13現在)
レビュー数 34件・評価 ★★★★★ 3.1点・参考価格 4980円
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トライアングルストラテジー【8.9.9.9】
対応機種:Switch
発売日:2022.3.4
ジャンル:シミュレーションRPG
短評:希少なタクティクスRPG。ストーリー要素強めなので、ファイヤーエムブレムと比べるとテンポに欠ける。斬新な要素が多く意欲作であることは間違い無いが、戦闘マップが非常に見づらく、カーソル移動の操作性もイマイチなのは残念。かえってファイヤーエムブレムの完成度の高さを再確認させられてしまう。35点は妥当な評価かと。
TRIANGLE STRATEGY(トライアングルストラテジー)-Switch - スクウェア・エニックス
Amazon's data(2022.03.10現在)
レビュー数 94件・評価 ★★★★ 3.7点・参考価格 6180円
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Sifu【9.9.9.8】
対応機種:PS5/4
発売日:2022.2.8
ジャンル:アクション
短評:洋物のカンフーアクションがプラチナ殿堂に飛び込んできた。ファミコン時代の「スーパーチャイニーズ」を超リアルにしたらこんな感じ?という印象。難易度高めのようだが、受けやパリィから反撃がキマッたときの爽快感は体験してみたい。
プレイレビュー
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク ★★★★
PS陣営を代表する超大作「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」をクリアしましたので、ネタバレ無しでレビューしたいと思います。なお、そこそこ探索を頑張ってのクリアタイムは46時間で、トロフィー獲得率は41%でした。
【PS4】ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク 【CEROレーティング「Z」】 - ソニー・インタラクティブエンタテインメント
Amazon's data(2022.12.24現在)
レビュー数 102件・評価 ★★★★ 4.3点・参考価格 6800円
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新規性 ★(+★)
前作の続編というより、Disc2のような作品。前作発売から4年半の間隔があるだけに、新規性の物足りなさは否めない。
新要素としては、1)クレイトスの武器に槍が追加、2)アトレウスが使う矢の種類が増え、武器としてだけでなくパズルを解く手段としても活躍、3)プレイアブルキャラにフレイヤが追加、といったところ。
個人的には、ファストトラベルやHUDなど、探索がはかどる仕組みやヒントとなる要素があればいいと思った。ゲームのボリュームが膨大になるほど、遊びやすさは重要。
難易度バランス ★★★(+★)
難易度は5段階(Story、GRACE、BALANCE、NO MERCY、GOD OF WAR)から選べるが、ノーマルにあたるBALANCEでプレイするならパリィは必須。GRACEに落としても極端に難度が下がるわけではなく、微調整といった印象。この手のゲームに慣れた人でも手応えがあるので、全くの初心者には敷居が高い。なお、主人公のHPは宝探しでアップする仕組みなので、最短距離でクリアを目指すほど難度が上がる。
ちなみに、サブクエストの強敵「ベルセルク」は相手の攻撃パターンを体得するまで何度でも死ぬことになるが、倒せば死にゲー的な達成感もある。上級者にはメインストーリー以外で手応えを提供する仕組みは上手いと思う。
総評 ★★★★
大前提として、2018年4月発売の「GOD OF WAR」をプレイ済みであることが重要。というか必須。前作未プレイでも楽しめる続編モノも多いが、本作に関しては前作未プレイだと、ただでさえ分かりづらいストーリーがさらにチンプンカンプンになる。前作と合わせると100時間級の超大作なので安易に前作からプレイしてとも言えないが、ともかく本作から初プレイだけはお勧めしない。
ストーリーは、正直なところ分かりづらい。プレイヤーによっては半分も理解せずに終わるだろうし、逆に、どこまで理解できれば十分なのかも分からない。しかし、そもそも本作の底流をなす神話の世界とは分かりづらいものであり、分かりづらさの中に奥深さがある。作為的な分かりづらさに神秘性を感じられるかが本作を楽しむポイント。ネタバレしない程度に言えば、前作も本作も、エンディングに含まれる「予言」に胸熱になれれば、長く険しい旅が報われたと考えてよい(程度の理解度)のではないかと思う。
バトルの難易度に関しては既述のとおり。改善点を挙げるなら、必殺技以外の小技はボス戦では使えないor使いづらいものが多く、強敵相手に使えない技は覚える必要性が薄いため、結果的に雑魚戦もR1(弱攻撃)だけで対処してしまう場面が多かったのは残念。R2(強攻撃)、飛び道具、溜め攻撃は、動作のスキを埋めるほどの威力が無いので使う機会が少ない。また、本作では主人公の武器に槍が加わったが、斧や鎖鎌に比べて迫力に欠け、かえって操作を覚える煩わしさが増した印象。メイン武器1種類+飛び道具という構成のほうが遊びやすいのではと思われる。
以下、総評としてまとめる。本作シリーズが数年単位で歴史を代表するゲームであることに疑いは無く、2018年に前作を遊んだときの感動は今も忘れられない。そのような記憶に残る数少ないゲームである。一方、前作はファミ通レビューで38点を獲得したのに対し、本作では36点と評価が冴えない。極めて完成度の高かった前作からの積み増し部分が少なかったことや、前作プレイが大前提であるDisc2的なストーリーが要因と思われる。システム的に大きな変更を加えることが難しいのは仕方がないとして、前作冒頭の対バルドル戦が本作では対フレイヤに置き換わったように感じられるなど、狙ってそうしているのかもしれないが、前作を越えるような衝撃に乏しかったのは事実。前作と合計して100時間級の超大作のため、筆者も満腹気味になりながらプレイを続けた印象が残る。このあたりは超大作であるがゆえの課題ともいえる。
信長の野望 新生 ★★★★
信長の野望 新生を織田家と黒田家でプレイしましたので、さっそくレビューしてまいります。ちなみに、黒田家では全国統一を目指したものの関東以東を制した北条家の領土を削り取っているところで1700年に到達してしまい強制終了となりました。
【Switch】信長の野望・新生 - コーエーテクモゲームス
Amazon's data(2022.09.18現在)
レビュー数 397件・評価 ★★★★ 4.2点・参考価格 8909円
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新規性 ★★(+★)
家臣に城や領地を与える「知行制」が新要素。家臣の個人能力は従来どおり重要だが、同じ城に属する家臣の能力を合計した「城能力」が内政や軍事に影響するため、家臣の組み合わせも考慮する必要がある。AIや政策などの要素は旧作から受け継いでいるが、わりとAIが賢いため、前線攻略に忙しいゲーム後半ではとても助かる。
難易度バランス ★★★(-★)
実感ベースでの感想として、初級モードでも易しくない。初級モードであっても他大名は機を逃さず侵攻してくるため、隣国との戦争で兵力が減ったタイミングで第三国から攻め込まれる。同盟するなり兵力を残して戦争をする必要があるため、中小大名でのプレイは自ずと難度が高くなる。終盤まで消化試合とならず楽しめる難易度でもあるが、全国制覇を目指すには時間がかかりすぎるため、バランス調整が必要な部分もあると思われる。
また、本作では「北条贔屓」と揶揄されるほど北条氏が強く、北条氏に武田領以東を制覇されると、西から山岳地帯を越えて関東に攻め込むのは非常に厄介。本作では兵糧の都合で遠征に限界があり、兵力回復も早いため、ゲーム終盤の領土争いでは守る側が明らかに有利で、膠着状態から抜け出すのに時間がかかる。パワーアップ版では、進軍時の兵糧補充など、総力戦で終盤を突破できるような改善を望みたい。
操作性 ★
筆者は旧版Switchでプレーしたが、特にチュートリアルの説明文など、判読できないほど文字が小さく苦労した。また、家庭用ゲーム機のコントローラーでは情報画面へのアクセスが面倒で、ガチにやるならPC版を強くお勧めする(ただ、操作性の悪さを補って余りある手軽さはSwitchの特長でもある)。
また、さすがに武将数が2千名を超えてくると、武将の検索方法も一工夫ほしい。複数条件による検索や、ソートだけでなくフィルタ機能もあると便利だろう。また、武力・統制・知略・政務の「合計値」をパラメータとして設けてくれれば、有能な武将とそうでない武将を見分けるのに便利だと思われる。
総評 ★★★★
筆者は織田家と黒田家でプレイし、発売後半月で50時間以上は没頭したので、間違いなく面白いし中毒性も高い。気が付けば半日経っているという時間泥棒だ。もしスプラトゥーン3が発売されていなければ、次こそ北条氏で全国統一を目指したと思われる。
この完成度で無印版を出してくれたのは嬉しい限りなので、パワーアップ版では遊びやすさの追求をお願いしたい。本作のAIはなかなか賢く時間短縮に貢献しているが、より細かく指示ができるとなお良い。例えば、上述のとおり兵糧の問題で遠征できない地域は商業開発に全振りして金銭収入を最大化する必要があるが、AIの軍団長や城主は極端な内政は行わない。そのため、商業施設を建てるところまで自分でやってからAIに任せる必要があり、本作は城や領地が膨大にあるため、かなりの徒労に感じた。プレイヤーの意思をAIに細かく反映できると、より遊びやすくなる。
Horizon2 Forbidden West ★★
Horizon2 Forbidden Westをクリアしましたので、さっそくレビューしてまいります。ちなみに、クリアレベルは39、クリア時点のストーリー進行度は42%、プレイ時間は64時間となります。
【PS5】Horizon Forbidden West - ソニー・インタラクティブエンタテインメント
Amazon's data(2022.06.18現在)
レビュー数 703件・評価 ★★★★★ 4.5点・参考価格 14520円
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新規性 ★★
かつてのZoidを連想させる生き生きとした機械獣が闊歩する世界が本作の特徴であり、背景や人物の描写も含め、グラフィックは最強レベル。とはいえ、第2作ともなると新規性に物足りなさを感じざるをえない。ゲームシステムはよくあるアクションRPGで、スキル関係に使いづらいものが多いこと以外は特に不満はなかった。
難易度バランス ★★★★
難易度はストーリーからベリーハードまでの5段階に加えてカスタムも可能なため、あらゆるプレイヤーに対応可能。資源獲得のため攻撃部位に照準を合わせる必要があるため、難易度を下げてもボタン連打にならないのが良い。なお、機械獣相手には基本的に飛び道具で戦うが、攻撃動作に時間がかかる一方で、機械獣の動きが速すぎるという問題はある。
ストーリー ★★
ゼニス、オセラム、カージャ、シャドウカージャ、テナークス(及びその逆賊)、エクリプス、ノラ、ウタルなど、多くの部族や勢力が登場し、さらに、ストーリーの鍵を握る人物が多数登場するため、はっきり言って中盤あたりまで意味不明。サブタイトルにもあるとおり禁断の西部(Forbidden West)を目指すという物語だが、途中から西への移動すら目的ではなくなる。ラストも次回作を予告する中途半端な幕切れ。
総合 ★★
プレステ5のテレビCMにも使われるPS陣営の代表タイトルで、ボリュームだけなら超大作ではある(もちろんグラフィックも最高だが)。
最大の欠点は、ストーリー展開の分かりづらさ。「ゴースト・オブ・ツシマ」のように元寇軍という終始一貫した敵がいるわけではなく、部族同士の争いに翻弄されつつ、中盤以降に地球人の敵みたいな連中がひょっこり出てくる展開。さらに、その宇宙人の親玉がラスボスというわけでもなく、長編小説の草稿並みにチグハグなストーリーでした。クリアまでの63時間、ほぼ五里霧中でプレイし続けた印象。
戦闘に関しては資源収集という目的もあるため緊張感があり良かったものの、敵キャラの大部分である機械獣相手には直接攻撃武器(槍)を使う機会が無かったのが残念。また、敵の弱点属性が6つくらいあるものの、ここまで細かいと武器の切り替えが面倒なだけなので、もっとシンプルにすべき。
また、飛行による移動手段の獲得がゲーム終盤となるため、装備強化のための資源収集やサブクエストをこなすのに支障となる。もっとも、装備を強化してもアクションが増えるわけでもないため、資源収集に時間を使うなら難易度を下げたほうが賢いのかもしれない。
あと、最近のアクションRPGにありがちなゲーム内ゲーム(本作ではチェスのようなテーブルゲーム)に関しては、こちらが敵の攻撃範囲に入るまで攻めてこない思考ルーチンとなっており、時間はかかるはストレスは溜まるわで最低の出来。ウィッチャー3のようなカードゲームのほうが、手軽に遊べてゲーム中の気分転換には適していると思います。
トライアングルストラテジー ★★★
スクエニの「トライアングルストラテジー」の2周目をクリアしましたので、さっそくレビューしてまいります。このゲームは、1周目クリア時と2周目クリア時とでは、だいぶ評価が異なると思います。
TRIANGLE STRATEGY(トライアングルストラテジー)-Switch - スクウェア・エニックス
Amazon's data(2022.04.23現在)
レビュー数 653件・評価 ★★★★ 4.1点・参考価格 5539円
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新規性 ★★★★
タクティクスRPGは決して新ジャンルではないし、本作はタクティクスRPGとしての目新しさも無いものの、スクエニのタクティクスRPGというだけで新鮮味がある。「ファイヤーエムブレム」や、かつて「タクティクスオウガ」にハマった人なら、買わないという選択肢の無いゲームかと思われます。
難易度バランス ★★★
難易度はVery EasyからHardまでの4段階で選択可能だが、Normalでも全滅は普通で、Easyでもキャラを死なせずにクリアするのは容易とは言えない。敵軍のほうが手駒や地形・配置で優勢なマップが多く、うっかり敵軍の攻撃可能範囲に侵入すると、あっという間に詰む。
撤退しても経験値を失わないため、レベル上げは容易(敵軍レベルより4つくらいレベルが低いと、アイテム使用だけでレベルが上がる)。ただ、ストーリーの進捗以上にレベルを上げることが困難な仕組みなので、レベルを上げれば難易度が下がるというわけでもない。
タクティクスRPGの醍醐味は、ギリギリのところで味方を失わずにクリアするのが醍醐味であり、そこに難易度Normalを調整する努力をしてほしかった。味方が死んでもペナルティは無く、「最後まで生き残っていたほうが勝ち」と言わんばかりの勝利条件は微妙と言わざるをえない。
戦闘の面白さ ★★
はっきり言うと残念。魔法、特殊能力、アイテム、マップ上のギミックなど、攻略手段が多すぎるせいで、かえって詰め将棋のような戦略性が失われている。
キャラの特殊能力は把握困難なほど多彩で、まるで「ブレイブリーデフォルト」のアビリティのようでもある。それらを組み合わせれば、「こんな攻め方もあるんだ!」という楽しみ方もあるのだろうが、それをタクティクスとは呼ばないと思う。
ファイヤーエムブレムのように、「剣・槍・斧」の三すくみ関係くらいのシンプルなルールにとどめたほうが、むしろファンのニーズに忠実ではないかと思われる。
ストーリー ★★(1周目)★★★★(真エンド)
この作品ほど1周目と2周目(真エンド)とで評価の異なる作品は珍しい。攻略情報を見ずに1周目をプレイすると、3パターンのエンディングへと分岐するが、いずれも後味の微妙なバッドエンドとなる。しかし、2周目で真エンドをプレイすると、1周目のバッドエンドが伏線として重なり、なんとも言えない幸福感に包まれる。後述のとおりゲームのテンポが悪いので初回クリアだけで疲れてしまうが、ぜひ真エンドをプレイしてほしい。
テンポの良さ ★★
ストーリーにこだわった代償かもしれないが、画面を見させられているだけの時間が長すぎて、なかなか次の戦闘マップに進めないのがもどかしい。
さらにテンポを悪くしているのが、本作ならではの「信念の天秤」システム(単純にAかBかの選択を迫られるのではなく、登場キャラによる投票でAかBかを決める)である。最初こそ目新しく感じたが、プレイヤーはどちらかの選択肢に投票するよう登場キャラを説得する必要があるので、結局は自分で選んでいるのと同じである。真エンドでは信念の天秤がやや伏線として使われているので全否定はしないものの、余計な手間を増やしている印象のほうが大きい。
総括 ★★★
真剣に改善すべき課題が1つや2つではないため手放しに良ゲーとは言えないものの、先に着手したHorizon(PS5)を捨て置いて周回プレイしてしまったのだから、古くからのスクエニファンには刺さるゲームではある。ただ、タクティクスRPGとしての完成度はファイヤーエムブレムに及ぶべくもない。本作は、ブレイブリーデフォルトやオクトパストラベラーなど、新たな方向性を見つけるためのスクエニによる実験的作品の一つと考えたほうがよさそうではある。