こんにちは、NASユーザーのちうぱんです。
今年7月にWD CloudというNAS製品を購入し、バックアップやデータの中継基地として使い倒してきました。
NASは接続機器(PC、スマホなど)との同期設定を工夫することにより、1~2万円程度の初期費用のみで、Dropboxと同じように運用することができます。
しかし、実際に4ヶ月ほどNASを使ってみて、NAS推奨派レビュアーが語らないような問題点や落とし穴があることも判明しましたので、3点ほどお伝えしていきますね。
アプリケーションの作り込みに甘さが目立つ
まず第一に気になることとしては、アプリケーションの作り込みの甘さです。
ニュースリリースやデジタル系サイトでのレビューでは、アプリケーションの多機能ぶりばかりが宣伝されるわけですけど、アプリの作り込みが相当に甘いです。あくまでハードのおまけ的な姿勢がプンプンと臭ってきます。
その一例として、下の画面は、WD CloudのiOSアプリの設定画面です。「WD Cloud」のアイコンに?マークが表示されていますよね。
この画面には接続されているNAS製品や外部サービス(DropboxやGoogleドライブ)が表示されるのですが、まさかWD Cloudの純正アプリにも関わらず、自社製品のアイコンに「?マーク」が表示されるというのは、常識的には考えられません。
この問題についてサポートに問い合わせたところ、既知のバグであるとの回答を得ました(このバグは最近になってようやく解決しました)。メーカーのサポートの回答はめっちゃ速くて感心しましたが、あまりアプリ開発には熱心ではないのが残念です。
OSの更新により突然使えなくなることも
さらに、最近になって大きな問題だったのが、iOSのメジャーアップデート(iOS11)により、WD CloudのiOSアプリが突然使えなくなってしまったことです。
アプリを起動させることもできない致命的なバグが発生してしまい、アプリに設定していた写真の自動アップロードも動作しなくなりました。
結局、アプリのバグ修正版がリリースされたのは、iOS11の公開から1ヶ月も後のことでした。そしてこの間、メーカーから何の情報提供も無かったため、バグを修正する予定があるのかすら分からない状況が続いたのです。
NASの様々な機能はアプリケーションに依存していますから、アプリが使えなくなると「伝送速度の遅い外付けHDD」になってしまいます。
ファイル同期の速度や安定性はDropboxがズバ抜けている
NASをDropboxの代用として購入を考えている人も多いと思います。
自分が購入したWD Cloudにも、NASとPC内の特定のフォルダを同期する「WD Sync」というアプリケーションがあるのですが、Dropboxの感覚で使ってしまうと肩透かしをくらいます。
というのも、ファイル更新とファイル同期のタイムラグが大きいんですね。NASがあればDropboxの有料プランとか要らないんじゃね?と考えている人は要注意です。
もちろん、WD SyncにはDropboxを上回る機能もあります(たとえば、WD Syncは複数のフォルダに対して別々に同期設定が可能です)。とはいえ、Dropboxの同期速度や絶対的安定性と比べてしまうと、なんとも詰めの甘い多機能製品に思えてしまいます。
というわけで、自分は近日中にDropboxの有料版に契約しようと思います(もちろん、WD CloudもPCのバックアップ用に使いますが)。以上っ!