《2018年9月13日追記》
Windows10 Anniversary Update以降のOSバージョンで従来ドライバが使用不可となったため、最新ドライバのダウンロード先URLを更新しました。
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こんにちは、ちうぱん。です。
今回はRatoc REX-KEB03レビューの3回目です。前回に引き続き、REX-KEB03でバランス接続とハイレゾ再生を楽しむための設定について解説します。
パソコン側の設定で必要なこと
ここでは、REX-KEB03を高音質で使用するための、パソコン側の設定をまとめます。
REX-KEB03のドライバをインストール
必ず必要な設定です。
WindowsでREX-KEB03を使用する場合、専用ドライバが必要です。ドライバをインストールするまで、USBケーブルでつないでもREX-KEB03は認識されません。ドライバは下記サイトからダウンロードして下さい。なお、Macは専用ドライバ不要です。
Windows10 Anniversary Update以降、対応ドライバが変わりました。使用しているOSにより、下記URLからダウンロードして下さい。
ダウンロード | RATOC Audio Lab(windows10 Anniversary Update以降)
ダウンロード | RATOC Audio Lab(上記以前のOSバージョン)
スピーカーのプロパティを変更する
ハイレゾ音源を楽しむための設定です。
Windowsの標準設定では、音声出力がCD音質(16bit・44.1kHz)となっています。このままではハイレゾに対応しないため、「スピーカーのプロパティ」で変更します。
サウンド設定画面でスピーカー(REX-KEB03)を選び、右下のプロパティボタンを押して、「スピーカーのプロパティ」を開いてください。
WindowsのOSは32bit・384kHzをサポートしていないため、ここで選べるのは24bit・192kHzまでとなります。moraなどのサイトで販売されているハイレゾ音源は24bit・96kHzまでの楽曲が大半なので、Windows標準の24bit・192kHzでも必要十分だと自分は思います。
もしも、32bit・384kHzとかDSDと呼ばれる音源を試したい場合は、foobar2000などマニア向けの再生ソフトが必要です(怪しいエイリアンのようなアイコンですが最も有名なソフトです)。
そもそも「bit・kHz」とは
すこし脱線しますが、さきほどから「bit」とか「kHz」という単語を連発しすぎました。そもそも「bit・kHz」って何?という話です。
これらの数字は楽曲の収録品質を意味しています。専門的な解説についてはググればいくらでも出てくるので、bitが「量子化ビットレート」を意味するとか、そういう説明は省略します。
簡単な言葉で説明しますと、bitの数字が高いほど、音が滑らかになり、ボリュームの小さな微細な音まで拾います。また、kHz の数字が高いほど、人間の可聴域を超えるような高音を拾います。要するに、これら2つの数字が高いほど、実際の音に近づくということを意味しています。
では、これらの数字の違いによって、どれだけ音質に差が出るのでしょうか?
これは非常に重要な問題です。下記のサイトでビット数の違いによる音の変化を聴き比べることができます。
いかがだったでしょう?よほど環境や聴覚を整えないと、8bit以上の音質の違いは判別が難しいと思います。
ちなみに、CD音質は16bit、Windowsは24bitまでサポートし、世の中には32bitで収録された楽曲まであります。16bitを超えるようなハイレゾ音源が、どれだけ微妙なものかご理解いただけると思います。
また、CD音質は44.1kHzまでの高音に対応しますが、これは人間の可聴域の上限とほぼイコールです。96kHzや192kHzで収録されたハイレゾ音源は、人間には聴き取れない高音を多く含みます。ハイレゾ音源のレビューに「空気感」だとか「雰囲気」という曖昧な表現が多用されるのは、このあたりの事情があるためでしょう。
Windows Media Player とiTunesの設定
ハイレゾ再生するために必要
ハイレゾ音源をハイレゾ再生するために、音楽再生ソフトの設定を変更することが必要です。
Windows標準の再生ソフトであるWindows Media Playerは、整理>オプション>デバイス>スピーカーのプロパティで「オーディオCDに24ビットオーディオを使う」にチェックを入れます。
iTunesでは、編集>設定>再生で、「オーディオのサンプルレート」と「オーディオのビット」を変更します。
なお、同じ設定画面にある「オーディオの再生方法」の初期設定は「directsound」ですが、「Windows Audio Session」(WASAPI)に変更可能です。詳細は次の項目で説明します。
iTunesのWASAPI出力について
音質への影響はほとんど無い?
WASAPIというのは、Vista以降で採用された高音質設定「Windows Audio Session API」の略です。読み方はワサビに似ていますが、英語の略称となります。
Windowsから出力される音声は、OS内部で複数の音声処理システムを経由します。この音声処理システムは、音楽再生ソフトだけでなく、すべてのソフトが共有します。YoutubeとiTunesの音声を同時に出力できるのはこのためです。
その音声処理システムの一つに「directsound」というのがあります。音声出力をdirectsoundからWASAPIに切り替えることで、より高音質になると言われています。
ただし、iTunesで利用可能な「WASAPI 共有モード」については、音質向上にほとんど貢献しないとの情報もあります。このあたりの情報は下記サイトで詳しく説明されているので参考にしてみて下さい。
WASAPI排他モードを設定する
ハイレゾ以外にも有効な設定です
WASAPI排他モードとは、使用中の音楽再生ソフトが、Vista以降で採用された高音質設定「Windows Audio Session API」を排他的に使用する機能です。
「排他的」の意味は、楽曲再生中はその楽曲以外の音(youtubeとかOSのエラー音とか)が一切聞こえなくなるということです。音声処理システムを排他的(独占的)に使用することにより、音質の向上に寄与すると言われています。
ただし、WASAPI排他モードを使用するには、上で紹介したfoobar2000のようなマニア向けソフトが必要です。iTunesは排他モードに非対応ですので、ちょっとハードルが高いと思います。
というわけで、REX-KEB03の接続設定と、高音質の音楽を楽しむためのPC設定をご紹介いたしました。次回は、REX-KEB03でのバランス接続についてレビューしたいと思います。
iOS11でFLAC対応の噂も?
ついにiPhoneもハイレゾ対応?
2017年秋リリースのiOS11で、ついにiPhoneがFLACに対応するというニュースが飛び込んできた。
FLACはハイレゾ音源の一般的なファイル規格であり、moraなどのサイトで販売されているハイレゾ楽曲の多くはFLAC形式なのだ。
現時点で最新のiPhone7が対応している音楽ファイルは以下のとおりである。非公式ながら24bit・96kHzまでのハイレゾ再生が可能という情報もあるが、いずれにせよFLACに対応していないので実用的とは言えない。
AAC(8〜320Kbps)、保護されたAAC(iTunes Storeから購入したコンテンツ)、HE-AAC、MP3(8〜320Kbps)、MP3 VBR、Audible(フォーマット2、3、4、Audible Enhanced Audio、AAX、AAX+)、Apple Lossless、AIFF、WAV
そこで、どうしてもiPhoneでハイレゾ楽曲を聴きたいマニアは、NePLAYERなどの専用アプリに楽曲を読み込むなどしてきたわけだが、その「ひと手間」が必要なくなるかもしれない、ということなのだ。
具体的にどうなるかということは正式発表を待たなければならないが、ついにiPhoneがハイレゾ音源に一歩前身するのではないかと期待したい。