こんにちは、住宅ローンウォッチャーのちうぱんです。
2018年11月の住宅ローン金利が、金融機関各社から一斉に発表されました。
当ブログでは三井住友信託銀行と住信SBIネット銀行を中心に、住宅ローン金利の推移を定期的にウォッチしています。(筆者自身も両銀行と住宅ローンの契約経験がありますが、金利面での融資条件では最良と考えています)
住宅購入やローン借り換えの参考にしていただければ幸いです。
2018年11月ローン金利の動向
それでは、2018年11月の住宅ローン金利を見ていきましょう。
三井住友信託銀行、住信SBIネット銀行ともに、前月(10月)金利から動きがありませんでした。
半月前に発表されたソニー銀行の住宅ローン金利では、3ヶ月連続で金利を上げてきていましたが、10月下旬からの10年国債利回りの下落が反映されたような形です。
住宅ローン金利の指標となるのが「10年国債利回り」です。既にお伝えしているとおり、日銀が長期金利の誘導目標の緩和を発表したため、10年国債利回りが2年半ぶりに「0.1%の壁」を突破してきました。
その後は1ヶ月ほど0.1%前後で揉み合った後、9月中旬以降から一気に0.15%まで急上昇しましたが、10月後半には元のレンジに戻っています。
10年国債利回りのチャートは三井住友銀行のサイトが見やすいです。より詳細なチャートは楽天証券サイトをご覧ください。
fund.smbc.co.jp
各社11月住宅ローン金利
金利表の見方
- 金利は今月の住宅ローン金利です。カッコ内の数字は前月金利となります。
- 変動金利は通期引き下げ金利、固定金利は当初引き下げ金利です。
- 融資条件により金利に幅のある場合、再優遇金利を表示しています。
三井住友信託銀行
三井住友信託銀行の11月金利は前月比で動きがありませんでした。
7月金利と比較すると、固定15年以上では、ちょうど0.1%上昇しています。9月下旬以降、10年国債金利がかなりボラティルな状況でしたので、今月のような「踊り場」が来月以降も継続するかは不透明な状況です。
なお、三井住友信託銀行は、実店舗型の金融機関にもかかわらず、相変わらず全ての融資期間で業界最低水準の金利設定となっています。近くに店舗があるなら迷わずオススメします(他の金融機関は、金利比較されやすい10年固定金利だけ金利を低く設定していたりするのでご注意ください)。
10年固定金利で他行と比較すると、メガバンクで最も低金利な三菱東京UFJが0.90%(前月比±0%)、新規参入組ではイオン銀行が0.69%(前月比±0%)となっています。
変動 0.475(0.475)±0
固定2年 0.40(0.40)±0
固定3年 0.45(0.45)±0
固定5年 0.50(0.50)±0
固定10年 0.80(0.80)±0
固定15年 1.10(1.10)±0
固定20年 1.20(1.20)±0
固定30年 1.25(1.25)±0
※新規借入れの金利。借り換えは+0.05%。
なお、2018年3月で惜しまれつつ住宅ローン事業から撤退した三菱UFJ信託銀行ですが、4月2日から新たにネット専用住宅ローンを開始しました。
三菱UFJ信託銀行の2018年11月金利は以下のとおりです。なお、三菱UFJ信託銀行は新規・借換とも共通の金利となっています。
変動 0.525%(0.525)±0
固定3年 0.45%(0.40)+0.05
固定10年 0.85%(0.80)+0.05
三井住友信託銀行と金利を比較しますと、変動金利では三井住友信託銀行が有利、固定金利では三菱UFJ信託銀行が有利となっています。
ネット専用住宅ローンとして生まれ変わった“新生”三菱UFJ信託銀行は、現時点で業界最低水準の住宅ローン金利を設定しています。ネット専用なので全国どこでも利用可能であることはもちろん、三井住友信託銀行からの借り換え先としても利用価値大です。
住信SBIネット銀行
ネット専用住宅ローンの中では最低水準の金利設定を継続中です。三井住友信託銀行の住宅ローンを代理販売しているため、ほぼ同水準の低金利となっています。11月金利では、三井住友信託銀行と同様、前月から変動はありませんでした。
7月金利と比較すると、固定30年では0.15%も上昇しています。仮に4,000万円のローンを組んだ場合、総返済額は100万円以上も増えます。わずか3ヶ月で!
変動 0.457(0.457)±0
固定2年 0.46(0.46)±0
固定3年 0.55(0.55)±0
固定5年 0.59(0.59)±0
固定10年 0.86(0.86)±0
固定15年 1.22(1.22)±0
固定20年 1.36(1.36)±0
固定30年 1.44(1.44)±0
※固定は新規・借換共通。変動は新規金利を掲載。
ちなみに、住宅ローンについて「なにか一冊」ということであれば、累計13万部(改訂6回)の下記書籍を推奨いたします。
まとめ
住宅ローン金利の指標となる10年日本国債利回りは、2018年7月末に(一時的にではありますが)0.10%を突破しました。
日銀の立ち回りで再び国債利回りは元のレンジに戻ったものの、9月中旬以降の急上昇には目を見張るものがあります。いったん天井を突き破ってしまうと、あれよあれよと数字が独り歩きする可能性もあるため、住宅購入や借り換えを検討している方は機を逸さないように注意してください。
米国の金利政策もいまのところ強気を維持しており、また、欧州中央銀行も量的金融緩和を2018年から縮小すると決定しているため、日本の金融政策がいつこれに追随してもおかしくない状況です。
したがって、金融機関は長期で低利の融資を増やすことにはネガティブですので、住宅ローン金利が今より大幅に下がることは、まず「無い」と思われます。
金融機関別の金利比較では、実店舗型では三井住友信託銀行が、ネット手続型では住信SBIネット銀行が、業界最低水準をキープしています。
近くに店舗があるならば、迷わず三井住友信託銀行を選んで後悔無しです。メガバンクの中では三菱東京UFJ銀行が最も金利で攻めています。それ以外の実店舗型金融機関は地銀も含めて金利面での魅力はありません。
三井住友信託銀行に次いで低金利なのが、住信SBIネット銀行です。住信SBIネット銀行は三井住友信託銀行の住宅ローン商品を代理販売しているため、三井住友信託銀行よりも(ほんのわずかに)金利が高いです。さらに、2018年4月にネット専用住宅ローンとして生まれ変わった三菱UFJ信託銀行は、固定金利では三井住友信託銀行よりも有利となっています。
ただし、住信SBIネット銀行と三菱UFJ信託銀行は、書類の郵送手続きに時間がかかるため、融資実行日が迫っている場合は避けたほうがよいです。筆者も住信SBIネット銀行で住宅ローンを借り換えましたが、申込みから融資まで2ヶ月以上かかりました。
住宅ローン比較サイトで「じぶん銀行」などが低金利として紹介されている場合もありますが、アフィリエイト目的の場合もあるので注意してください。ちなみに、2017年7月の30年固定金利では、三井住友信託銀行の1.05%に対して、じぶん銀行は2.05%となっています(じぶん銀行の方が有利なのは、銀行間で比較されやすい10年固定金利のみです)。三井住友信託銀行と住信SBIネット銀行は、変動金利と全ての期間固定金利において、業界最低水準の住宅ローン金利を設定しています。
以上となります。なお、本日の記事に関連して、住宅ローン金利の先読み方法については下記記事にまとめていますので合わせてご覧ください。
ご参考までバックナンバーはこちら。金利推移の分析にお役立てください。