こんにちは、住宅ローンウォッチャーのちうぱんです。
2020年1月の住宅ローン金利が、金融機関各社から一斉に発表されました。
当ブログでは三井住友信託銀行と住信SBIネット銀行を中心に、住宅ローン金利の推移を定期的にウォッチしています。(筆者自身も両銀行と住宅ローンの契約経験がありますが、金利面での融資条件では最良と考えています)
住宅購入やローン借り換えの参考にしていただければ幸いです。
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2020年1月ローン金利の動向
それでは、2020年1月の住宅ローン金利を見ていきましょう。
2020年1月金利は、先月の金利改定で10年固定だけがポンと上がったのに追随して、その他の融資期間の金利がやや上がりました。イオン銀行が3ヶ月に1度の金利改定を行い、10年固定が業界最低水準の0.57%に引き下げたこともトピックです。一方、住宅ローン金利の指標となる10年国債利回りが、いよいよマイナス金利から脱しようとしています。これから数ヶ月は住宅ローンの金利動向から目が離せません。
後述するように、2019年5月下旬から継続していた10年国債の歴史的なマイナス金利が、2020年1月時点で、ほぼ解消されようとしています。とはいえ、住宅ローンの貸し出し金利が急上昇するということもなく、どちらかというと様子見、小康状態が続いている状況です。まさに、住宅ローン金利を比較検討しなければならないタイミングとなっています。
一足先に発表されているソニー銀行の1月金利でも、10年固定で前月比±0、20年超では0.019%となっており、長期的視点では直近の国債利回りの動向を静観している様子がうかがえます。
とはいえ、住宅購入者にとっては有利な金利が継続しています。最も金利の低い金融機関では20年長期ローンで1%に迫る勢いです。変動金利の魅力もありますが、20年30年の安心を+0.5%~0.6%の金利で買えるなら検討の余地は大きいでしょう。
さて、住宅ローン金利の指標となるのが「10年国債利回り」です。
2019年2月から、ほぼ一貫して続いていたマイナス金利が、いよいよ解消されてしまいそうです!9月初旬には-0.3%に迫る信じがたい数字を叩き出しましたが、直近では米中摩擦の緩和期待から右肩上がりに金利を戻しています。
もちろん、まだまだ住宅ローンユーザーとしては大歓迎な状況となっています。
10年国債利回りのチャートは三井住友銀行のサイトが見やすいです。より詳細なチャートは楽天証券サイトをご覧ください。
各社1月住宅ローン金利
金利表の見方
- 金利は今月の住宅ローン金利です。カッコ内の数字は前月金利となります。
- 変動金利は通期引き下げ金利、固定金利は当初引き下げ金利です。
- 融資条件により金利に幅のある場合、再優遇金利を表示しています。
三井住友信託銀行
三井住友信託銀行の1月金利は、10年固定以外の固定金利で金利アップとなりました。先月は10年固定のみ+0.1%アップだったので、その他の融資期間もこれに追随した形です。ちなみに、融資額が3千万円の場合、金利が0.1%違うと、サラリーマンの月給1ヶ月分ほど返済額が変わってきます。
変動 0.475(0.475)±0
固定5年 0.60(0.55)+0.05
固定10年 0.70(0.70)±0
固定20年 1.15(1.10)+0.05
固定30年 1.20(1.15)+0.05
※新規・借換共通。
なお、三井住友信託銀行は、実店舗型の金融機関にもかかわらず、相変わらず全ての融資期間で業界最低水準の金利設定となっています。近くに店舗があるなら迷わずオススメします。
ちなみに、10年固定金利で他行と比較すると、メガバンクで最も低金利な三菱東京UFJ銀行が0.79%(前月比±0%)、新規参入組ではイオン銀行が0.57%(前月比-1.2%)となっています。イオン銀行は3ヶ月に1度、金利が見直されます。
イオン銀行が1月10日の金利改定で、10年固定金利を0.57%に引き下げ、最低金利となっています。なお、イオン銀行の住宅ローン利用者は、毎日の買い物が5%オフになるというオマケもあります。
また、三菱UFJ銀行がネット専用住宅ローンを始めました!金利は10年固定で0.69%と業界最低水準となっています。ネット専用住宅ローンは住信SBIネット銀行の独壇場でしたが、いよいよメガバンクが仁義なき戦いを挑んできましたね。
ただし、三菱UFJ銀行のネットローンでは、金利固定期間の最長は10年で、10年経過後は金利が+1%となります。したがって、10年超の期間で融資を受ける場合は、後述する住信SBIネット銀行のほうが有利です。
住信SBIネット銀行
かつてネット専用住宅ローンでは一強だった住信SBIネット銀行ですが、10年以内の期間固定金利では三菱UFJ銀行に出し抜かれてしまいました。しかし、10年超の中長期ローンでは、まだまだ最低水準の金利設定を継続中です。
住信SBIネット銀行の1月金利では、固定5年で0.05%の金利アップとなりました。それ以外は変動が無く、前月に引き続き小康状態といったところでしょう。
変動 0.457(0.457)±0
固定5年 0.65(0.60)+0.05
固定10年 0.76(0.76)±0
固定20年 1.30(1.30)±0
固定30年 1.42(1.42)±0
※固定は新規・借換共通。変動は新規金利を掲載。
まとめ
《10年国債利回りの推移》
住宅ローン金利の指標となる10年日本国債利回りは、2018年8月末に(一時的にではありますが)0.10%を突破しました。さらに、2018年10月には0.15%を突破し、短期間での急上昇に冷や汗をかいた住宅購入者も多かったことでしょう。
ところがです。2018年12月末には一気にマイナス金利に突入しました。その後、一時的に0%を上回りましたが、2月初旬には再びマイナスに転落しました。
さらに、米国の利下げ政策の影響で-0.3%という信じがたい水準にまで低金利が進行しましたが、直近では米中摩擦の緩和期待から0%付近までマイナス解消が進んでいます。
《住宅ローン金利の動向》
住宅ローン金利は基本的に10年国債利回りに連動します。マイナス金利に先導され、2018年上期の水準までローン金利を戻しました。高まる米金融緩和への期待、さらに最近では、2019年6月20日に日銀の黒田総裁が、「物価失速なら躊躇なく追加緩和」との意向を示しており、もうしばらくは低金利が継続するであろう状況です。
ただし、気分屋な金利動向は、ちょっとしたきっかけで、あれよあれよと数字が独り歩きする可能性もあるため、住宅購入や借り換えを検討している方は機を逸さないように注意してください。
《金融機関の傾向》
金融機関別の金利比較では、実店舗型では三井住友信託銀行が、ネット手続型では住信SBIネット銀行が、業界最低水準をキープしています。近くに店舗があるならば、迷わず三井住友信託銀行を選んで後悔無しです。
メガバンなら三菱東京
メガバンクの中では三菱UFJ銀行が最も金利で攻めています。さらに、ネット専用住宅ローンも開始し、住信SBIネット銀行への仁義なき戦いを仕掛けております。なお、三菱UFJ以外の実店舗型金融機関は地銀も含めて金利面での魅力はありません。
三井住友信託銀行に次いで低金利なのが、住信SBIネット銀行です。住信SBIネット銀行は三井住友信託銀行の住宅ローン商品を代理販売しているため、三井住友信託銀行よりも金利は高めの設定です。
ここに注意
ネット銀行は手続きに2ヶ月はかかるのでスケジュールに余裕を持って!
ただし、住信SBIネット銀行などのネット専用住宅ローンは、書類の郵送手続きに時間がかかるため、融資実行日が迫っている場合は避けたほうがよいです。筆者も住信SBIネット銀行で住宅ローンを借り換えましたが、申込みから融資まで2ヶ月以上かかりました。
住宅ローン比較サイトで「じぶん銀行」などが低金利として紹介されている場合もありますが、アフィリエイト目的の場合もあるので注意してください。ちなみに、2017年7月の30年固定金利では、三井住友信託銀行の1.05%に対して、じぶん銀行は2.05%となっています(じぶん銀行の方が有利なのは、銀行間で比較されやすい10年固定金利のみです)。三井住友信託銀行と住信SBIネット銀行は、変動金利と全ての期間固定金利において、業界最低水準の住宅ローン金利を設定しています。
以上となります。なお、本日の記事に関連して、住宅ローン金利の先読み方法については下記記事にまとめていますので合わせてご覧ください。
ご参考までバックナンバーはこちら。金利推移の分析にお役立てください。
《2019年》12月, 11月, 10月, 9月, 8月, 7月, 6月, 5月, 4月, 3月, 2月, 1月