住宅ローンでは史上空前の超低金利が継続しておりますが、数千万円の融資を受けるにあたっては、0.1%でも金利は低いほうがいい、これ、当然のことでございます。
20年の金利固定で2000万円を借りた場合、毎月の返済額はこれだけに違います。
年利1.0% 91,978円/月、2,207万円/総額
年利1.1% 92,873円/月、2,228万円/総額
年利1.5% 96,509円/月、2,316万円/総額
とりわけ、融資実行日を決定する時期においては、当月と翌月の金利はどちらが有利なのかという点が重要となります。
翌月の金利は基本的にわからない
しかしながら、住宅ローンの金利が翌月にどうなるか、これは基本的にわかりません。
当月金利は、その当月になるまでわかりません。
いまが6月なら、7月の金利はわかりません。
どの銀行も市場金利や他行の動向を様子見しながら、毎月1日に当月金利を発表するからです。
借りる側の立場としては、融資を急いだ方がいいのか、むしろ翌月まで待った方が有利なのか、そのような見通しが立たないのは非常に不便かと思われます。
とはいえ世の中には、翌月の金利動向を予測するための情報源がありますので、以下にてご紹介いたします。
10年国債利回りとの連動
住宅ローンの長期固定金利は、「新発10年国債利回り」を重要な指標としています。
コクサイ?利回り?
なんちゃわからん。
という方も心配は無用です。
新聞でもネットでも公開されています。
10年国債利回りのチャートを読むことにより、翌月の住宅ローン金利の方向性が見えてきます。
もしもチャートが前月比で大幅に変動していれば、翌月の住宅ローン金利に反映される可能性は大と言えます。
このチャート抜きにして住宅ローンは語れません。
ただし、銀行側の立場としては、国債利回りの動向だけでなく、他行との競争も意識しなくてはなりません。
10年国債利回りが前月より0.02%ほど高く推移している場面で、金利を「上げる」という判断をする銀行もあれば、「据え置く」という判断をする銀行もあります。
ソニー銀行の金利発表は半月早い
基本的に住宅ローン金利は当月になるまでわかりません。
ただし、例外があります。
ソニー銀行の住宅ローンです。
ソニー銀行では毎月中旬に、翌月の住宅ローン金利をホームページで公表します。
ソニー銀行で住宅ローンを検討している人にとっては、1.5ヶ月先までの金利が見えることとなります。
住宅購入の資金計画を立てるうえで、適用金利がハッキリしているということは、とても重要なことですよね。
もちろん、ソニー銀行が先行して発表する金利は、他の銀行が参考にしないはずがありません。
とりわけ、金利が競合する非店舗型の銀行については、ソニー銀行より金利が上か下かということは大きな問題です。
他の銀行で住宅ローンを考えている人にとっても、ソニー銀行のローン金利は重要な情報源になるでしょう。
イオン銀行の金利発表はもっと早い
さらに、ソニー銀行よりも金利発表が早いのがイオン銀行です。
イオン銀行の住宅ローンは、5ヶ月先までの適用金利を約束しています。
なんと5ヶ月ですよ。
具体的には、2017年5月10日に発表した金利の適用期間を、以下のような文言で説明しています。
『2017年4月10日(月)から2017年7月9日(日)までにお申込みいただき2017年9月29日(金)までにお借入れいただいた分まで。』
イオン銀行では、最大で半年先までの適用金利を約束しています。
一般的な銀行であれば、適用金利は当月1日に発表しますから、イオン銀行は他行より最大4ヶ月も早く、金利を発表していることになります。
消費者目線としては素晴らしい。
では、イオン銀行の住宅ローン金利が、他行の金利予測に使えるかというと、あまり有益な判断材料にはならないと思います。
もちろん、銀行間の競争において駆け引きの妙味はありますが、とはいえ直近の10年国債利回りと乖離した金利を設定するわけにはいきません。
金利が上昇する局面で、多少の引き止め材料にはなるかな、という程度の印象です。
というわけで以上ですっ!