こんにちは、ちうぱんです。
今日はですね、「トータル5万円でバランス接続を楽しむ」をテーマに、コスパ優秀なポタアン「Ratoc REX-KEB03」を中心に関連機器をレビューしていきます。
さて、一時期のハイレゾブームもだいぶ下火になってきましたが、それと入れ替わりに人気加熱中なのが「バランス接続」です。
バランス接続についての詳しい説明は後半で詳しく書きますが、
バランス接続9>ハイレゾ1
というくらい、素人が聴いてもバランス接続による音質向上は明らか!音楽デバイスへの投資としては、とても費用対効果の高い選択肢と言えます。
- 低価格化でバランス接続が身近になったよ
- Ratoc REX-KEB03とは
- REX-KEB03の外観と同梱物など
- バランス接続ケーブルの選び方
- バランス接続ケーブル「御手杵」
- バランス接続の効果は素人が一聴して分かる!
- パソコン側のハイレゾ設定変更
それでは早速、レビューいってみよー!
低価格化でバランス接続が身近になったよ
さて、音質面では効果抜群なバランス接続ですが、唯一のネックは専用機器の価格でした。
バランス接続で音楽を鳴らすためには、それに対応したヘッドホン、ポータブルアンプ(ポタアン)、ケーブルが必要です。
しかし!かつては高嶺の花だったポタアンも、手の届く価格帯まで値下がりしてきました。
例えば、今回レビューするRatocの「REX-KEB03」なら実質2万円台と手の届きやすい価格です。さらに、以前はバランス接続用の専用ケーブルも高価だったんですが、いまはAmazonで格安な製品がたくさん出回ってます。
ちなみに、下の写真は自分の音楽環境なんですが、こちら一式でトータル5万円(から少し足が出るくらい)。見る人が見ればわかりますが、バランス接続の必要機器を5万円で揃えられれば、かなりコスパ面で優秀だと思います。
手間もかからず値ごろ感も出てきたので、「そろそろ音楽に投資してみようかな」と思ったら、バランス接続を全力で推します。
Ratoc REX-KEB03とは
まずはREX-KEB03がどのような製品かを説明したほうがいいですね。
“REX-KEB03は実質2万円台にもかかわらず、「ハイレゾ再生」と「バランス接続」に対応した高コスパなポータブルアンプです。”
REX-KEB03の特長はなんと言ってもコスパ。
バランス接続対応で実質2万円台のポータブルアンプというのは、ちょっと他では見たことがありません。しかも、得体の知れない海外メーカー製ではなく、Ratoc(ラトックシステム)は日本の中堅電子部品メーカーですからね。
ちなみに、ソニーとJVCでバランス接続に対応した製品の価格帯はこちら。
ソニー PHA-2A
参考価格 50,571円 Amazon.co.jp
JVC SU-AX01
参考価格 71,616円 Amazon.co.jp
ソニーのPHA-2Aについては、少なくともスペック表からは、REX-KEB03に対する優位性は見当たりません。JVCのSU-AX01は非ハイレゾ音源を高音質化する“K2テクノロジー”を搭載する高級機です。
いずれにせよ、バランス接続対応のポタアンとなると、大手メーカー製では最低でも5万円以上の投資が必要となります。
一方で、コスパ優秀と話題のREX-KEB03なら実質価格は2万円台。他社のポタアンより2万円ほど安く手に入ります。この差額2万円で、そこそこ良質なヘッドホンが買えてしまうわけです。
なお、下記のMDR-1AM2はバランス接続用ケーブルも同梱のため、手持ちのポタアンに応じた変換コネクタ(1千円前後)を購入すれば、ケーブル代もかかりません。
ちなみに、スペック表を凝視して、「でもDSD11.2に対応してないのかぁ」と思った人いますか?なんと本製品をメーカーに送ると、1,980円の手間賃だけでDSD11.2対応にアップデートしてもらえます!返送時の送料はメーカー負担なので、とても良心的だと感心しました。
REX-KEB03アップグレードサービス(RP-KEB03UP)【RCP】
- ジャンル: 家電・AV・カメラ > ポータブルオーディオ > その他
- ショップ: ラトックプレミア 楽天市場店
- 価格: 1,980円
ただし、自分はDSD11.2へのアップデートは見送りました。結局のところ、世の中の楽曲の圧倒的大多数はDSD音源ではありません。自分の手持ち楽曲もすべて標準的なPCM音源であり、DSD11.2対応は音楽マニアのための過剰性能であると判断しました。
ちなみに、音楽配信サイトmoraでちょっと探してみたところ、DSD2.8音源がわずかに見つかりました。REX-KEB03はDSD2.8の上位規格であるDSD5.6に標準対応しているため、アップデートしなくても多くのDSD音源を再生可能だと思います。
REX-KEB03の外観と同梱物など
では早速、REX-KEB03の現物を確認していきます。いわゆる開梱の儀です。
まずは外箱。安っぽさは無いけど、ソニーならばもう少しお金をかけるかなという感じ。もちろん、箱が音を出すわけではないので問題ありません。梱包サイズは18.5×10.7×4.7くらい。メジャー計測なので目安まで。
本体および付属品は以下のとおりです。
- REX-KEB03 本体
- Linghtning 直結ケーブル
- Xperia 専用ケーブル(L型プラグ)
- USBケーブル(充電用 標準A ⇔ Micro-B)
- USBケーブル(PC接続用 標準A ⇔ Mini-B)
- シリコンバンド
- ユーザーズマニュアル(2冊)
- 保証書(1年)
正面斜め45度から接写しました。
3.5mmの一般的なステレオジャックが1つ、2.5mmのバランス接続用ジャックが2つ、ボリュームつまみがあります。操作関係で戸惑う要素は皆無でしょう。なお、左右側面に操作関係のボタン類はありません。
本体背面です。
背面には赤緑のLEDランプが3つあり、充電状況、入力方法(USB or 光)、音楽フォーマット(PCM or DSD)を確認することができます。
ちなみに、一見すると据え置き機にも見えるREX-KEB03ですが、連続13時間のバッテリーを内蔵しています。本体への充電は右側のマイクロUSBコネクタから行います。
ちなみに、上記の機材撮影には、大里化学工業の撮影キット「PHOTOLA(フォトラ)」を使用しました。2万円台後半と少しお高めですが、非常にグッジョブな製品です。下記ページにフォトラのレビューをまとめているので、ショップ関係あるいはガジェット系のブロガーさんなど、あわせてご覧いただければ幸いかと。
あると便利な二股USBケーブル
REX-KEB03を実際に使用していて気になるのがケーブリングです。
本製品をPCと接続するには、データ送信用のマイクロUSBとは別に電源供給用のミニUSBが必要となるため、下の画像のように2本のケーブルでつなぐことになります。
本体が非常にコンパクトなので、そこからケーブルが2本も伸びるのは外観上も好ましくありませんよね。
そこで便利なのが二股のUSBケーブルです。
二股USBケーブルを使用した場合でも、問題なくREX-KEB03を動作させることができました。音質的にも特に変化は感じません。
なお、電源供給側の端子は「ミニUSB」なので、「マイクロUSB⇒ミニUSB」の変換プラグが別途必要になりますのでご注意ください。
1,500円程度の追加出費となりますが、ケーブル周りがスマートになるので推奨です。
バランス接続ケーブルの選び方
中級者以上の方はご存知のとおり、バランス接続には手持ちの機器に応じたケーブル選びが必要となります。
例えば、REX-KEB03と上で紹介したPHA-2A(ソニー)とSU-AX01(JVC)とでは、ヘッドホンを接続するのに使用するケーブルの種類(プラグのサイズ)が全てバラバラです。
REX-KEB03をバランス接続で使用する場合、アンプ側の端子径が2.5mmのケーブルを用意して、一番右側の「R+AK」という穴に挿してください。
「ケーブル端子径が2.5mm?」って何。この部分の説明がチンプンカンプンな人のために、以下にて簡単な説明を加えます。そんなの知ってるという人は読み飛ばしてください。
まずは前提となる話。
バランス接続は、メーカーごとに端子の規格がバラバラで標準化されていません。
ここが、ややこしいところ(汗
具体例として、韓国Astell&Kernの端子径は2.5mm、ソニーは4.4mmを業界標準にしようと画策中です。Astell&Kernは高価格帯のポータブルオーディオを他に先駆けて発売してきた経緯があるため、このジャンルの製品では影響力の強いメーカーです。
REX-KEB03の端子径は2.5mmですので、Astell&Kernと同じ規格を採用しています(AK互換)。ですので、端子径2.5mm以外のケーブルを使用するには、下記のような変換プラグが必要となります。まあ、価格も1千円未満なのでサクッと買いましょう(笑
ちなみに、ヘッドホン側のケーブル端子にはいろいろな形状があるため、バランス接続するためのケーブルが市販されていない場合もあります。このため、手持ちのヘッドホンをバランス接続で使用するために、ケーブルを自作してしまう人も増えています。
バランス接続ケーブル「御手杵」
上でも書いたように、バランス接続には専用のケーブルが必要です。一般的な3.5mmステレオミニプラグとは形状そのものが違うので注意してください。
自分の場合、REX-KEB03と手持ちのヘッドホン(ソニーMDR-1A)を接続するため、Nobunaga Labsのバランス接続ケーブル「御手杵」を購入しました。読み方は「おてぎね」となります。
プラグ形状は、アンプ側2.5mm、ヘッドホン側3.5mmとなります。メーカーサイトにて「MDR-1A専用 AK2.5mmバランス出力対応ケーブル」と説明されているように、MDR-1Aでの使用を前提にカスタマイズされています。MDR-1Aのプラグ挿入口は埋込式となっているため、こうした専用品を使ったほうが美観的によろしいかと思います。
プラグは当然24K金メッキで、つや消し処理されたボディにメーカー名がプリントされています。写真では分かりづらいですが、ケーブル部は3本の線が三つ編み状になっています。ケーブルは柔らかくしなやかなため、取り回しはしやすいと思います。
ソニーが販売しているキンバーケーブルのような強力な個性はありませんが、実用的な美しさを備えた製品だと思います。
なお、今回購入した御手杵の実質価格は7千円弱とやや高価ですが、Amazonで探せば安価なバランス接続対応ケーブルが2千円台から見つかります。実際のところ、ケーブルの違いによる音質の優劣はほとんど感じられないので、高価なケーブルを買うくらいなら、別のものにお金をかけたほうが満足度は高まると思います。
バランス接続の効果は素人が一聴して分かる!
それでは、実際に試聴していきます。今回は、以下の機器を組み合わせて、宮本笑里の「flower」を聴いてみました。ヴァイオリンの高音域がとても美しい楽曲なので、ハイレゾとバランス接続の効果を試すにはもってこいだと思います。
- ソニー MDR-1A
- RATOC REX-KEB03
- Nobunaga Labs 御手杵
ヘッドホンはソニーのMDR-1Aを使いました。MDR-1Aは3万円未満の普及価格帯のヘッドホンとしてバカ売れした機種ですが、アンバランスでも評価の高いヘッドホンです。
ヘッドホンのクオリティが高ければ、あまり音質面でゲンナリすることはありませんが、MDR-1Aをバランス接続で鳴らせてみると、音の解像度が明らかに高まりますね。これは素人が一聴して違いに気づくレベルです。
具体的には主旋律のヴァイオリンが、アンバランスでは霞がかった印象でしたが、バランス接続では皮を剥いたばかりのフルーツのように艶のある音色に変化します。高音域での解像感が高いため、目の前でグンと音が伸びてくる印象です。
パソコン側のハイレゾ設定変更
最後に、今回ご紹介したREX-KEB03などのポータブルアンプをPCに接続して使用する場合、ハイレゾ再生するためにはパソコン側の設定を変更する必要があります。設定変更しないとハイレゾ音源を再生してもCD音質となってしまうので注意です。
ハイレゾを再生するためのPC設定の説明は長くなるので、下記リンク先に詳しくまとめておきました。あわせてご覧いただけると幸いです。
というわけで以上っ!