こんにちは、ちうぱんです。
3月下旬から順次発売されるCintiq pro 24/32を臨時ショールームで使い倒し&スタッフさんに質問しまくってきたのでレビューします。
期間限定ワコムギャラリーを訪問
2月27日にプレスリリースされたCintiq Proの新製品3機種が、清澄白河の期間限定ギャラリーにて先行展示されています。小春日和の昼下がり、一足早く新製品を試してきましたので様子をお伝えします。
住宅街の一角にあるレンタルスペースが会場
開催期間は4月15日(日)までで、開催期間中は無休となります。3月29日発売のCintiq Pro 24(タッチ無し)はもちろん、5月発売の24インチと32インチ(評価機)も試用可能となっています。場所等の詳細は下記リンクを参照あれ。
ちなみに、ギャラリーの会場は東京下町の民家を改修したレンタルスペースなので、中に入るのに少し勇気が要るかもしれませんw
Cintiq Pro 32 は驚愕のサイズ
さて今回、予想外の収穫だったのが、発売時期未定のCintiq Pro 32(評価機)が展示されていたことです。こちら非製品版とのことですが、実際に試用することもできます。おそらく販売開始後も実機展示する店舗はそう多くないと思われるので、この時期に現物に触れられたのは望外の喜びです(感涙
Cintiq Pro 32、奥はMacbook proの15インチ
さて、Cintiq Pro 32の第一印象は、、
でかい
そのひと言に尽きます(滝汗
それもそのはず、横幅は約85センチ。写真奥のMacbook pro 15インチが小さく見えてしまいます。写真でも大きさが伝わると思いますが、実物は圧巻です。ちなみに、Cintiq Pro 24はタッチ機能の有無によりラインナップを分けていますが、32インチ版はタッチ機能有りのみとなります。
Cintiq Pro 32の最大のメリットは、漫画サイズのデータであれば、原寸で仕上がりを確認できることで、これは液晶ペンタブとしては唯一無二の特長です。
一方で、思わぬ落とし穴がありました。。
大きすぎて画面両端のパレットに手が届きませんw
しかも、4K表示だとパレットが小さいので、遠くまで手を伸ばして、正確にペンタッチする動作は、想像以上に神経を使います。
今回、32インチ版の実機に触れるまでは、予算が許せば32インチ>24インチだと思っていたのですが、Cintiq Pro 32は作業効率が落ちるのではないかと思いました。
USBの横の丸い穴はイヤホン端子
以下、スタッフさんとの一問一答です。
Q1. Cintiq Pro 32の販売価格を教えてください。
現時点で未定ですが、以前に36万円前後とアナウンスしています。
Q2. スタンドは現行機種(Cintiq 27QHD用)を使い回しできますか。
できません。今後発売の新型スタンドが必要です。新型は新たに回転機能付きで、現行機種と同等の価格に据え置きの予定です。
Q3. ちなみにCintiq Pro 16用のスタンドは発売されるのでしょうか。
具体的な時期は一切未定ですが、発売予定です。
Q4. Cintiq Pro 24/32はUSB PD対応ではないですよね。
USBによる電源供給には非対応です。電源と映像入力、最低でも2本のケーブル接続が必要です。
本命はCintiq Pro 24
続いて、Cintiq Pro 24を見てまいりましょう。
Cintiq Pro 24
Cintiq Pro 24の横幅は大人の肩幅より少し大きいかなという程度で、32インチ版のように大きすぎることによる違和感はありません。A4サイズがギリギリ原寸で表示できない縦幅ですが、あまり大きな問題にはならないでしょう。サイズ的には24インチが本命と思いました。
実際に試し描きしてみると、視差の少なさにも驚きます。現行機種のCintiq 27QHDも展示されていましたが、体感的に視差は半減しているように感じました。
また、Cintiq Pro 24はタッチ機能の有無で約5万円の価格差がありますが、価格を度外視すれば、やはりタッチ機能があったほうが便利です。ただ、既に発売されているCintiq Pro 16がタッチ機能付きで実売16万円であることを踏まえると、タッチ機能の有無で5万円という価格差に納得感があるかは微妙です。
Cintiq Pro Engine搭載!
ちなみに、Cintiq Pro 24には、3月29日発売のジョイント型PCであるCintiq Pro Engineがセットされていました。こちら、i5モデルかXeonモデルかの確認が漏れましたが、耳を近づけるとファン回転音がかすかに聞こえたように思います。ギャラリー内のBGMにかき消される程度の音量ですが、夜間など静かな環境では気になる可能性があります。
画面上部のタッチボタン
上の写真は画面上部のタッチボタンです。右の3つはCintiq Pro 13/16と共通ですが、左端の「1|2」は画面入力切り替えです。Cintiq Pro 24/32は入力系統が3つありますが、手元で切り替えられるのは便利です。気分転換にゲーム機などを接続するのも良さそうです。
4K対応アプリ以外での100%表示は困難
そして、Cintiq Pro 24/32では入力系統に関わらずネイティブで4K表示が可能ですが、4K表示って文字やアイコンが小さすぎない?という問題がありますよね。
結論から先に言ってしまうと、24インチであれ32インチであれ、4Kを100%表示で使うのは厳しいです。
液晶ペンタブは通常のディスプレイよりも近距離で使いますが、それでも4K表示は小さすぎます。
設定変更で4K対応が可能なアプリケーション(Windowsの設定は変えずに、当該ソフトの文字やアイコンだけを拡大)での使用は問題ありませんが、ウェブ閲覧など一般的なPC用途では拡大機能を使わざるをえないでしょう(あるいは解像度を2Kに落とす)。
クリスタは4K対応なので、パレットの大きさも快適
個人的には150%拡大を推奨します
では実際に、Windowsの拡大機能を使い、見え方がどう変わるのか試してみましょう。100%からスタートし、25%ずつ画面を拡大していきます。
下の写真は100%表示です。デスクトップ上のアイコンはペンでタッチするのが困難なほど小さく、ウェブブラウザの文字も長時間の閲覧は疲れるでしょう。
100%表示
お次は125%表示です。少し大きくなりましたが、体感的には100%表示とあまり変わりません。
125%表示
続いて150%表示です。125%よりだいぶ見やすくなりました。自分は普段、2K解像度(WQHD)のディスプレイを使っていますが、それと同等だと思います。Cintiq Pro 24は150%拡大での使用をお薦めします。
150%表示
続いて175%表示です。このサイズまで拡大すると、もはや小さいという印象は受けませんね。
175%表示
最後に200%表示です。もちろん見やすいですが、ここまで拡大してしまうと、もはや4Kである必要性が無くなります。
200%表示
画面端は光の映り込みが厳しい
基本的にCintiq Pro 24は既に発売されているCintiq Pro 13/16より優秀な液晶ペンタブだと思いますが、唯一残念なのが光の映り込みです。
これは照明の位置など使用環境にもよりますが、今回ギャラリーに展示されていた新機種3製品のいずれも、画面端に顕著な光の映り込みがありました。
とりわけ32インチ版では画面端のパレットが見えづらく、使用環境によっては作業効率に影響するでしょう。
映り込みの特徴として、水平方向から見るほど映り込みが厳しいので、椅子の座面を高くするなど、より垂直方向から画面を見ることで少し改善します。
以下、スタッフさんとの一問一答です。
Q1. タッチ機能はCintiq Pro 16と同等ですか。
技術的に同じなので同等と思われます。
Q2. タッチ機能の有無により描画や表示性能に違いはありますか。
基本的に違いはありません。
Q3. 保護フィルムの使用は推奨しますか。
特に推奨していません。なお、感圧式ではないので、保護フィルムを貼っても摩擦感以外の描画性能には影響しないと思います。
ちなみに、タッチ機能を搭載するためには、構造的に層が一つ増えるはずなので、視差に影響が出ないかと気になりましたが、ギャラリーに展示されていたタッチ機能有り・無しモデルを比較したところでは、有為な違いは感じられませんでした。
ギャラリー訪問を終えて(雑感)
今回、個人的に超欲しいと思っているCintiq Pro 24/32を発売開始前に試用するため、はるばる2時間近くかけて清澄白河の期間限定ギャラリーを訪問しました。ちなみに、清澄白河はアートとカフェの地域として有名だそうです。そういえばブルーボトルコーヒーの日本1号店もこの町にありましたね。
巨大な小名木川水門
Cintiq Pro 24/32の上位機種は現時点で発売日未定となっているため、24インチのタッチ無しモデルだけ触るつもりで訪問しましたが、上でも書いたとおり、新製品3機種すべて試用可能だったのは望外の喜びでした。
まず驚くべきはCintiq Pro 32の巨大さですね。一昔前までは32インチのテレビすら無かったことを思えば、それが机の上にデーンと横たわっている姿はまさに圧巻です。
そして、実機を試しているうち、意外な落とし穴にも気付きます。当然と言えば当然かもしれませんが、画面が大きいことによるデメリットがありました。
成人男性の片腕の長さは60cm程度ですが、これに対してCintiq Pro 32の横幅は約85cmです。四隅のパレットをペンタッチするためには手を伸ばす必要があり、4K表示でボタンが小さいことも相まって、なかなかシンドイ作業だなと思いました。また、画面端に光が映り込む問題も無視できません。
今回発表の新製品ではCintiq Pro 24が本命と思われますが、上記のデメリットを踏まえると、既に発売されているCintiq Pro 16のバランス感が光ります。新製品への注目が集まっていますが、Cintiq Pro 16が再評価されるかもしれません。
ちなみに、期間限定ギャラリーでアンケートに答えると、デジタイザの替え芯がもらえます(替え芯の種類は選べます)。
というわけで以上です。長文をお読みいただきありがとうございました。